看護教育における教科書の必要性について

*追記(2019/2/26)

先日投稿したこちらのブログですが、その後に看護系の教科書出版に詳しい友人とのディスカッションを通して、先のブログでは私の考えを充分に表現しきれておらず、誤解を招きかねない表現があったと考えるに至りました。そのため、友人とのディスカッションを下敷きに、改稿したものを再度アップ致しました。

 

 

 

看護学校に入学が決まると、あたなの手元に届くあれ。

そう、看護の教科書リストです。



「書店をまわって、ないやつはAmazonでなんとか揃えた」
「10万近くして、お父さんにお願いするのが申し訳なかった」
「めっちゃ重かった」


という方もいらっしゃいますよね。

看護学生さんの場合は、全分野を網羅するなら30冊程度の教科書が必要で、1冊2500円前後と仮定しますと、最低でも

30×2500=75000円

の教科書代が必要になります。
Twitterを見ていますと、それに他の必読書が加わり、10万円前後というのが相場のようです。




この教科書、ほんとうに必要でしょうか?

後ほど書いておりますが、この記事の主張は「充分に教科書を選ぶ能力を持っている学生においては、自分で参考書を選ぶ自由が与えられるべきであり、教科書の一括強制購入の対象とされてしまうべきではない」ということです。冒頭での修正部分の投げかけは主張とはややズレがあり、誤解を招くために修正致しました(2019/2/26)。


既に看護学校卒業まぢか、看護師として働いているという方で、

「せっかく買ったのに汚れ一つつかないままだった」
「あの科目の時だけ開いたけど、その後に開かれることはなかった」

という声もあるでしょう。




私は大学4年間で1冊も看護の教科書を買わずに実習、国試を乗り切りました。

幸い、私の学校では教科書を全生徒に買わせるというような文化はなく、それぞれの生徒が、自分の好きな方法で看護を学んでいました。

そんな私は思ったのです、「教科書、スペースも取るし、お金はかかるし、ほんとに買う必要はあるだろうか? 必ずしもすべての生徒が買う必要はあるだろうか」と。

一つ前の修正と同理由により、こちらも修正致しました(2019/2/26)




今回のブログでは、なぜ私が教科書を買う必要はないと思ったか必ずしも全ての生徒が教科書を買う必要はないのではないかと思ったかということをお伝えしていきたいと思います(2019/2/26)。

重要なので強調致しますが、今回のブログのメッセージは、「教科書は買うな」ということではなく「全生徒が強制的に全ての教科書を買うのはおかしいんじゃないの?」ということです。教科書というのは、看護を学ぶための一つのツールであり、その他にも看護を学ぶ方法は沢山あるのだから、「全生徒に教科書を強制的に買ってもらう」というのはおかしいんじゃない?というのが私の意見です。

ですので、「私は自分で考えて、教科書が必要だと思ったから買う」という方にとっては、教科書を買うことが正しい選択なのだと思います。


追記(2019/2/17)
Twitterにて東京医療保健大学の清水準一教授に下記のご指摘を頂きました。清水先生が仰っておられる、教科書を選ぶ上ではその前提となる能力が必要であるということには私も全く同意で、その点が記載不足でありました。
そのため清水先生のご指摘を受け、「本ブログの対象は、自分で参考書を選別するだけの基礎学力が備わっている看護学生である」ということを、ここに追記させて頂きます。

 

追記(2019/2/26)

繰り返しになりますが、私が今回「必ずしも教科書を買う必要はないんじゃないの?」と思いました対象は、”自分で参考書を選ぶ能力のある学生”に限定されています。

友人とのディスカッションを通し、現在の看護学生においては自らの学びを自ら選択できる学生は決して多くはなく、そのため国試合格を目標に据えている看護学校においては、全ての生徒に標準的な学びを与える上で教科書が最適のツールの一つであるということに私は賛同致します。

 

 

 

 

 

授業の資料を活用しよう

必要なことは、全て授業が教えてくれた

「なぜ教科書を買う必要がという」最初の理由ですが、看護学生であれば当然ながら授業に出席し、そして殆どの教員が授業資料というものを配ると思います。


専門学校、大学の授業というのは文部省もしくは厚労省が定めたカリキュラムに則って運営されております。「看護師になるためには最低限はコレとコレを学ぶ必要があるから、学校で教えておいてね」というもので、これがそのまま国試の範囲にもなります。


つまり看護学校の授業には、「看護師になるのに必要な知識」が全て詰め込まれているのです。


ですから理論上は、わざわざ高いお金を出して教科書を買わずとも、学校の先生が必死な思いをして要点をまとめてくれた授業資料が無料で手に入りますから、そちらを使えば十分ということになるわけです。

追記(2019/2/26)
授業資料を作成するうえでは、多くの教員が「教科書」の文面・図表を抜粋していると指摘を受けました。私が学んだ東京大学においてはその限りではありませんでしたが、それを一般化し過ぎてしまったと反省しております。
また、講義とセットで提供される授業資料のみでは、それ単体で理解を深めるということが難しい内容もあり、その場合は元資料である教科書に戻り、より学びを深めるという手段がありうると考えております。

 

 

 

 

授業の資料が好きじゃなくて

「確かに授業の資料はあったけど、分かりにくくて私には駄目だったよ」


そんな方もいらっしゃいますよね。
しかしだからといって、教科書だけが看護を学ぶツールではありません。

今では、Youtubeや個人ホームページを使えば無料で看護を学ぶことはできます。私も受験時代はYoutube、そしてWeb玉塾という動画コンテンツを使って解剖、生化学、病態生理などを学んでいました。
こうした動画で人気がある方って、「気軽に見て、楽しめる」コンテンツ作りを徹底してらっしゃるので、私が看護を勉強するうえではとても有用なツールでした。


参考書を使ううえで大切なことは、「自分の肌に馴染む参考書を見つける」ということで、参考書を選ぶという段階からすでに勉強は始まっています。

なぜなら、「どの参考書がいいか」と自分との対話を続けるという行為そのものが、「私の得意、不得意は何だろうか」、「私にとってはどんな暗記の方法が効率がいいのだろうか」と、学びのスタイルを確立していくためのステップに他ならないからです。


ぜひ「授業資料がつまらないから教科書を」とすぐに飛びつくのではなくネットや大型書店を眺めて、あなただけの勉強ツールを見つけだすことをお勧めします。

追記(2019/2/26)
教科書は他の選択肢と同様に学びの手段として選びうる選択肢だと思いますが、ここでの「教科書に飛びつく」という表現は、「教科書は他の選択肢より劣っている」と誤解を招きかねない表現であり、不適切でしたので削除いたします。



「入学する前からそんなこと自分じゃ決められないよ」という方は、例えば先輩や、身近な看護師さん達に相談してみてはどうでしょうか?

彼らは日々の膨大な暗記と、看護に必要な批判的思考をこなしてきた先達たちです。きっと、そんな彼らが看護を生き残るために見出してきた”珠玉の勉強ツール”というものの存在を教えてくれるはずです。



 

 

 

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教科書なら図書館にある

そう、教科書は図書館にあります。
図書館にも全ての”看護の本”が収蔵されているわけではありませんが、看護の教科書は看護学校にとっては最重要書籍の一つですから、他の書籍よりも収蔵する優先度はかなり高いはずです。


ですからわざわざ教科書を買わずとも、必要になれば見に行けば良いのです

追記(2019/2/26)
東大においては教科書を使う看護学生がほぼいなかったために、常に図書館には充分な数の教科書がストックされておりました。しかしながら、在学生が全体で数百名を超えるような看護学校においては恐らく教科書をコンスタントに図書館で借り続けるというのは不可能です。ここは私の東大での限られた経験を過度に一般化してしまった、誤りです。

 


勉強において使うタイプの参考書は、私の中では二つに分かれます。


➀必須知識を得るための暗記本
②自分を励ましてくれる心のよりどころ本

 


➀の代表例は今お話ししている教科書、そして②は人それぞれだと思いますが、例えば看護学生なら誰しもが知っているナイチンゲールの”看護覚書き”、いま流行りの本ですとズルカンさんの”ズルいくらいに1年目の乗り切る看護技術”などになるでしょう。私にとっては、看護理論家トラベルビーの”人間対人間の看護”ですね。

追記(2019/2/26)
「教科書は基礎を掲載しており、それはどの教科書も大差はない
」という認識の下で、教科書を➀の参考書に割り振っていました。しかし、友人とのディスカッションを通して「看護学の基礎とは簡単に定義できるものではなく、”あるべき基礎”は教科書の執筆者、出版社によって異なる、そしてまた看護という学問においては”どこまでが基礎でどこからが応用か”というように高校科目のように簡簡便に線引きできるものではない」と認識を新たにしております。

 



②の本は、落ち込んだ時に眺めて、「よしっ、頑張るぞ
」と自分を奮い立たせてくれる本です。これは買って、自分の本棚に入れておくべきでしょう。
それに対して➀は、必須知識を覚えるための本ですから、暗記が終わってしまえば基本的にはずっとそばに置いておく必要はありません。


私も、実習において看護過程を展開しなければならない時だけ、その分野の教科書を借りていました。
お金もかからないし、使い終わったら返却すればよいので、スペースも取らない。
買って手元に置いておくよりも、ずっと効率が良いやり方でした。
追記(2019/2/26)
私の学習スタイルにおいてはこれは紛れもない事実でしたが、これは全ての看護学生に一般化できるスタイルではないということを再度強調させて頂きます。






 

 

 

 

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暗記なら国試の過去問の良い

国試過去問は最高の暗記ツール

先ほど、参考書には2種類あって、そのうち教科書は暗記のための参考書であるということをお伝えしました。


そして看護系の知識を暗記するにおいては、より優れた参考書があります。
それが、看護師国家試験の過去問です。


当然ながら、国家試験に出題される問題は「看護師になるならば絶対に知っておいてもらわねば困る」問題です。
ですので、国試の過去問そのものが「看護師が覚えるべき知識」が凝縮された最高の参考書の一つです。
おまけに当然ながら、国試の過去問を使うことで国試対策をすることもできます。


私も国試対策では、過去問を2周しただけで、他の書籍や模試、セミナーなどは一切受けておりませんでした。


必要なことは全て国試の過去問に書かれておりましたので、わざわざお金と時間をかけて国試対策をするなんてリソースの無駄だなと思ったわけです。




国試過去問にはデメリットも

ただ、暗記の勉強において国試の過去問のみに頼ることにはデメリットもあります。

一つ目は、過去の問題しか収録されていないために新たな知識問題には対応できないということ。しかしまぁ、看護学校のカリキュラムをこなしてきている以上は「教わってないことが国試で出る」ということは絶対にありませんので、こちらはそんなに心配は要らないでしょう。

二つ目は、対応できるのはあくまでも知識を確かめる暗記問題だけで、近年組み込まれてきている思考力を確かめる問題には対応できない、ということです。ですからあくまでも、国試の過去問は”暗記のため”のみに使うのが良いでしょう。






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まとめ

さて今回は、なぜ私が「教科書を買う必要はない」必ずしも全ての学生が教科書を一括購入する必要がないと思うのか」ということを3点に分けて説明してきました。


繰り返しになりますが、私がお伝えしたいのは、

勉強ツールは、人それぞれ合うものが違う

ツールは個々の生徒が自分で選べるべき

だから必ずしも全生徒が教科書を買う必要はない

 

ということです。
「私は教科書が好きだから使うの」という方は、もちろんそれが正し選択肢のはずです。

どうか、それぞれの看護学生さんが自分だけの”珠玉の勉強ツール”を見つけられて、より抵抗感なく勉強に臨んでいけますように。




 

Point

授業資料を活用しよう

図書館で借りよう

国試の過去問が暗記にはベスト

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勉強が苦手な看護学生さんのために、私が東大で培った勉強ノウハウをお伝えするシリーズを展開しております。
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