東京大学公衆衛生大学院の入試について④  【英語】

今回は英語の試験についてです。

形式としましては、2時間で4つの長文読解に取り組みます。
1つの長文あたり1ページ強の英文となっており、それぞれ問題が3題~5題というところでしょうか。
問題の傾向については過去問を見て頂くのが手っ取り早いのですが、今年ですと

・下線部が意味することは何か?
・”A”(本分中の単語)の意味に最も近い単語を以下の4つから選べ
・本分中の5つの空欄に最も適したセンテンスをA~Eから選べ
・本文の趣旨に反する記述を2つ選べ
・この文章に最も適したタイトルは何か選べ

などなど。
公衆衛生の専門知識はまったく問われず、大学受験レベルの英語力があれば十分に対応できる内容になっております。
英語に関しては問題の傾向は毎年ほぼ一緒なので、過去問を2~3年分やって、「ああ、こんな感じね」という感覚を掴んだら、あとは過去問には触れず、以下の対策をとるのが良いのではないかと思います。

 

①日常的に英語に触れておく
基本的な公式を覚えれば対応できる統計や、知識を詰め込めばけっこう解ける公衆衛生一般の科目と違い、英語に関しては基本的なReading力がなければ対応できません。
ですので、文法や単語が不安な人はそこの勉強から始めて、既にそれが十分だと思う人は日常から英文を読む習慣を付けておけば良いと思います。
確かに公衆衛生に関するテーマの長文が出題されるのですが、学術論文などではなく、”読み物”としてリラックスして読める長文なので、日頃触れる英文もそういったものを選ぶとより良いのではないかと思います。
自分の興味にあったものを探すのが良いのでしょうが、公衆衛生に親しんでおくという意味では、やはり公衆衛生に関する英文を読むのが良いかと。
自分はTwitterで国境なき医師団 internationalやWHOのアカウントをフォローしておき、面白そうな記事が流れてくるたびに保存して、空き時間で読んだりしていました。あとお勧めはThe Lancetです。登録すると、オンライン上で最新の記事が読めて、刊行されるたびにメールでお知らせしてくれます。学術論文以外にも、エッセイのようなものやコメントはリラックスして読めるものですので、SPH受験の材料としては割と良いかと思います。

 

②出題されそうなテーマを先に学んでおく
出題されるテーマはあくまでも公衆衛生に関するものなので、医療者であったり、学部時代に公衆衛生を学んでいた人だとピンとくるものがあるかもしれません。
本分を読まずとも「ああ、こういうことが言いたいんだな」というのが先に掴めるので、非常に読解が楽になるし、時間の節約にもなります。

ちなみに今年のテーマは”紛争と医療”、”画像診断”、”疫学とバイアス”、”健康格差”についてでした。
公衆衛生に初めて触れる人には「???」というテーマもあるかもしれないのですが、”画像診断”以外は割と公衆衛生の基本的なテーマかと思います。”画像診断”に関しては全く無知だったので、「何でこんな問題出すの?」と思いながら読んでいましたが。。。

 

では、公衆衛生に関して初めて触れるという人はどうしたらいいのか。
こちらの問題はもちろんSPHの先生方が作成しているので、割と先生方の専門分野に偏って出題されているという印象があります。

”疫学とバイアス”は予防疫学教室の佐々木教授が学部の頃から何度も授業で説明してくれたテーマでしたし、”健康格差”は保健社会学教室の近藤准教授が精力的に取り組まれている分野です。
ですので、前もって先生方の書いたものなどをある程度読んでおけば、そこから英文にアプローチするということができるかもしれません。

 

では何を読めばいいの?
という質問ですが。

おすすめは「社会と健康:健康格差解消に向けた統合科学的アプローチ」という本で、東大のSPHの教授陣を中心に、公衆衛生オールスターズによって書かれています。
学術書なので、かなり堅い内容になっていますが、読み込まずともSPH教員のテーマがどういうところにあるのかということは掴めるかと思います。

あとは、佐々木敏教授の「わかりやすいEBNと栄養疫学」。
栄養疫学と書いてはあるものの、疫学を学ぶ上での基本的な本になっており、私は学部時代の勉強でだいぶ助けてもらえました。「わかりやすい」という名前の通り、疫学に潜むバイアスや、優れた疫学デザインについて既存の研究をユーモアとシンプルな図表で説明してくれています。
本当におすすめの一冊です。
別の機会に書くことになりますが、この本の中で触れられている内容は、【専門】、【公衆衛生一般】で出題される疫学の内容とかなり近似しています(佐々木先生が毎年の作成者なのかなぁなんて思っていますが)。

 

以上が英語の試験の対策になります。
ちなみに私は今年の英語の試験で失敗してしまいまして、英語が終わった時点で「ああ、終わった。。。僕は来年も病棟で働くんだな」と哀しい気持ちになりました。SPHに先に進学していた友人たちが口をそろえて「英語は簡単、点の稼ぎどころ」と言っていたのに、失敗してしまったことがショックでショックで。。。
一次試験の結果は友人に見に行ってもらったのですが、掲示板の写メに自分の番号を見つけた時には大喜びして、なぜかその勢いで師長に報告のための電話をしました。。。

 

まとめになりますが、
英語は
①日頃から同じようなレベルの長文に触れておく
②出題されるであろうテーマに親しんでおく
の2点がミソになります。

 

私は失敗しましたが、点の取りどころです!!!
では失礼いたします。

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