東京大学 公共健康医学専攻修士課程 2018年入学

[自己紹介]
〈名前〉
廣瀬直紀
 
〈所属〉
臨床疫学/経済学教室
  
〈バックグラウンド〉
東京大学医学部健康総合科学科卒
佐久総合病院看護部にて1年10カ月勤務
 
〈連絡先〉
naoki.hirose70@gmail.com
twitter:@_vol_de_nuit

 

[受験]
〈その大学院を選んだ理由〉
疫学・統計学の教育体制が充実しており、各種統計ソフトを用いての演習も受講可能であるから。学部時代から在籍していた大学であり、教員のことも知っていたため、その教育能力に信頼があった。また、国立大学であるから他学部聴講がし放題であり、政策評価、英語、交渉術、質的研究、社会調査など様々に授業を受けることができる。加えて、東大という大学柄、学費免除や奨学金が取得しやすく、また海外留学や国際機関インターンにおいても教員の力を借りることができると考えたため。

〈試験内容〉
筆記試験による実力評価である。年齢、臨床経験、TOEFL、推薦状などはまったく考慮されない。試験内容は英語、統計、公衆衛生一般、各専門の記述である。二次試験として面接があるが、これは「よほどヤバい奴を落とすための試験」であり、合否にはほぼ影響しないと思われる。

〈受験の時に苦労したこと〉
過去問が東大校内でしか買えないため、買いに行くのがめんどくさかった。病棟師長は非常に理解を示してくださり、受験日数日前は何も言わずとも勤務表では休日扱いにしてくださっていた。感謝しかない。試験自体は、学部の時に受けていた授業の延長線上にあるものであったので、特に苦ではなかった。試験3カ月前より準備を始めて、仕事が終わり帰宅してから、1時間ほど勉強、休日は5時間ほど勉強、という感じだったと思う。病棟の勤務自体も、病棟師長の采配のおかげでスタッフが毎日8時~18時というクリーンな時間に退勤できており、勉強の支障にはならなかった。

 

[入学]
〈退職に至る経緯〉
元々、採用試験の面接の際に、「おそらく2年で退職して、大学院に戻ろうと思っている」ということは伝えてあったので、引き留められるということはなかった。南米を旅するために、1月という中途半端な時期で退職することになったのだが、病棟師長は嫌な顔一つせず、精神的にも、実務的にも退職をバックアップしてくださった。心から感謝しているし、もし私もどこかで管理職になるようなことがあれば、あの方のようなマネジメントをしたいと思っている。

〈入学前に準備したこと〉
南米を旅しながら、授業料・入学料免除、そして学生寮入寮申請の手続きをするのがかなり大変だった。情けないながらも、出発前に必要書類をできる限り準備しておき、親族に東大窓口で提出してもらった。これらの書類は非常に煩雑であり、家族構成員それぞれの収入計算、源泉徴収票、所得証明書などが必要になる。書いているとイライラしてくるばかりであるが、採用されたら100万~200万程度は節約できるので、コストパフォーマンスは非常に良い。加えて、副専攻であるリーディング大学院プログラムの受験申請をしていた。こちらは、メインの専攻に加えて所属できる専攻であり、受験と言っても数十分で記入できる書類を提出するだけである。合宿、授業、英語力証明書類提出などのタスクはあるものの、2年次まで残れれば毎月12万円の給付、海外留学への奨学金支援などをしてくれるので、こちらも非常にコスパが良い。
大学にはこのように授業以外にも学生をサポートするシステムが沢山あるが、入学してから調べているといつの間にか期日を過ぎてしまったということもあり得る。なので、入学前から大学のサポート体制を徹底して調べておくと、快適な大学生活に繋がると思う。

 

[大学院生活]
〈授業、実習の様子〉
1年目は授業が週4~5日はある。課題も、毎週3~5科目分のレポートが出るので、レポートに追われることになる。授業は座学が半分、そしてディスカッションが半分くらいで、積極的に意見を出し、様々なバックグラウンドの学生たちと意見を交わすことを求められる。東大SPHの様子に関しては、私が別のマガジンに書いているので、そちらを参考にして頂けると良いと思われる。

〈家庭との両立のコツ〉
私は独身であるので、楽な方だと思う。
生活は
学生支援機構:8万8千円/月、
老人ホーム夜勤バイト:14万~17万5千円/月、
日本看護協会:4万~6万/月
ヘルスケアベンチャー:2万/月
でやりくりしている。臨床経験のある看護師の場合、ご覧の通りに老人ホームでの夜勤バイトに助けられることが多い。病棟に比べてばケアはかなり薄く、夜はほぼ待機のみということもあり、待機中に大学院の課題をこなすということもできる。徹夜するのであれば明けの1日もそのままフルで活動することも可能であり、老人ホームの夜勤バイトは大学院進学した看護師の心強い味方である。
バイトに関しては、大学院の学びと相互補助的な関係にあるものを選ぶようにした。大学院で理論、知識を学び、それを実践で使う場所としてバイト先がある、という感じである。これであれば「金のための大切な時間を無駄にしている」という感覚を持たずに済むし、学んだことをより深く習得することができるので、心地よい。

〈大学院にかかる費用と、そのやり繰りのコツ〉
学費免除が認可されたので、1年目にかかった費用は入学金28万円のみ。授業の中で統計ソフトをインストールせねばならないこともあるが、東大の場合はバックアップが非常に手厚く、無料で大学が一括契約しているソフトを自身のパソコンにインストールさせてもらえる。オフィスソフトも無料で契約でき、また図書館に行けば電子論文もかなり充実した範囲見ることができる(大学によっては論文のサービス契約をしておらず、生徒が論文を入手するのに大変苦労することもある)。図書館には膨大な蔵書があるので、その気になればタダで勉強できる。
やり繰りに関しては、先述したが、まずは大学のサポート制度を調べ上げて、資金援助が得られそうなものには片っ端から申し込む。東京の場合は家賃が高いので(5万~7万が学生の相場)、ぜひ学生寮に住むことをお勧めする(家賃1万7千円/月、光熱費使い放題、ネット無料、全室クーラー完備)。

〈卒後の進路〉
未定。

 

[あなたの研究、実習の様子]
DPC・レセプトデータを用いて、医療・看護の費用対効果分析を行っている。といってもまだまだひよっ子であり、実際には優秀な先輩のご指導のもと、よちよち進めている。修士課程だと修論で1本という感覚の研究室が多いが、私が配属を希望したところは積極的な論文執筆を勧めており、私もM1の夏までに1本目を投稿することを目指している。これも、研究室の教育体制が非常に整っているからできることで、各院生にチューターの先輩が一人ついてくださり、その方が研究計画からデータ解析と、とことん付き合ってくださる。ありがたい限りである。
研究室によっては教員のプロジェクトに参加したり、教員から与えられたテーマに取り組むという場所もあるようだが、私はリサーチクエスチョンの設定こそが研究の醍醐味であり、そこに個人の腕が出ると思っているので、そこを他人に依存するというやり方はあまり好きではない。

 

[大学院を目指す看護師に一言]
現場ではまだまだ院進への理解が乏しく、心無い言葉をかけれられることもあるかもしれません。しかし、院を卒業して高い研究、管理、経営能力を身につけた看護師は日本の公衆衛生の希望だと思っております。ぜひ壁を打ち壊し、ご自身の夢を実現してください。

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