スコットランドの12-13歳時にHPV2価ワクチンを接種したコホートにおける20歳時の子宮頚部疾患の有病割合 後ろ向きpopulation study

 

 

”エビデンス”シリーズでは看護系の論文を紹介しています。

有料論文においては、無料で閲覧できる範囲(Abstract)の紹介に留めております。そのため、このブログを読んでも研究の全貌を知ることはできません。Abstractのみを読んで研究の結果を解釈することはできませんので、ご興味のある研究があった際には、ぜひ下記のリンクから論文が掲載されたサイトを訪問することをお勧めいたします(有料論文を見るためには契約が必要です)。

 

 

論文の概要

論文

Prevalence of cervical disease at age 20 after immunisation with bivalent HPV vaccine at age 12-13 in Scotland: retrospective population study

BMJ. 2019 Apr 3;365:l1161. doi: 10.1136/bmj.l1161.

 

Research question

HPVワクチンの定期接種が後の細胞学的異常および子宮頚部異形成に与える影響は?

 

PICO

P:1988年1月1日から1996年6月5日に生まれ、かつ20歳時に塗沫検査を受けた138,692人の女性

E:HPVワクチン接種

C:HPVワクチン未接種

O:細胞診の結果および関連する組織学的診断

 

 

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Abstract

Introduction

12-13歳時のHPV2価ワクチンの接種が20歳時の子宮頚部疾患に与える影響を測定する。

 

Method

1988-1996に行われた後ろ向きpopulation studyである。スコットランドのNational vaccinationおよびcervical screeningをsettingとした。参加者は1988年1月1日から1996年6月5日に生まれ、かつ20歳時に塗沫検査を受けた138,692人の女性である。アウトカムは細胞診の結果および関連する組織学的診断であり、ロジスティック回帰により効果量を測定した。

 

Result

138692件の記録が得られた。1988年生まれのワクチン未接種女性に比べて、1995年から1996年に生まれたワクチン接種女性では、grade 3以上の子宮頚部上皮内腫瘍(CIN)の有病割合が89%低下し(95%CI 81%-94%, 0.59%から0.06%へ低下)、grade 2以上の子宮頚部上皮内腫瘍(CIN)が88%低下し(95%CI 83%-92%, 1.44%から0.17%へ低下)、grade 1以上の子宮頚部上皮内腫瘍(CIN)が79%低下した(95%CI 69%-86%, 0.69%から0.15%へ低下)。

より低年齢でのワクチン接種はワクチンの効果の増加と関連していた。grade 3以上の子宮頚部上皮内腫瘍(CIN)の有病割合の低下が、12-13歳でワクチン接種した女性では86%(95%CI 75%-92%)だったのに対し、17歳でワクチン接種した女性では51%(95%CI 28%-66%)だった。high gradeな子宮頚部疾患に対する集団免疫の効果は、1995年と1996年コホートのワクチン未接種女性において観察された。

 

Conclusion

12-13歳時にワクチン定期接種を受けたスコットランドの女性において、前浸潤子宮頚部疾患の有病割合が劇的に低下していた。ワクチン未接種の女性においても集団免疫の効果は明らかであった。これらのデータはスコットランドにおいて高リスクHPVの有病割合が低下したことと一貫している。2価ワクチンは高い効果を持つワクチンであることが確認され、子宮頸がんの発症率を大きく低下させると考えられるべきである。

 

 

感想

HPVワクチンの子宮頸がん予防効果と副作用について、メディアを通した情報ばかり目にしていたなと反省し、エビデンスを追ってみようと思いました。経験のない分野の論文は単語を調べるのが大変です。。。

ワクチン接種群とワクチン未接種群が異なる年代に属しているため、本研究の結果を解釈する際には「これらの年代間で、ワクチン接種以外には子宮頚部疾患の発症に関わるトレンドの変化がなかった」という仮定を置く必要がある。筆者たちも言及しているが、年代を追うごとにワクチン接種率が上がり、そのため集団免疫が獲得されることで、それが交絡となって結果を歪めている可能性はある。

 

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