学士ホルダーの看護師数と心筋梗塞後の患者アウトカムとの関連 Cross-sectional study

 

 

”エビデンス”シリーズでは看護系の論文を紹介しています。

有料論文においては、無料で閲覧できる範囲(Abstract)の紹介に留めております。そのため、このブログを読んでも研究の全貌を知ることはできません。Abstractのみを読んで研究の結果を解釈することはできませんので、ご興味のある研究があった際には、ぜひ下記のリンクから論文が掲載されたサイトを訪問することをお勧めいたします(有料論文を見るためには契約が必要です)。

 

 

論文の概要

論文

In hospitals with more nurses who have baccalaureate degrees, better outcomes for patients after cardiac arrest

Health Aff (Millwood). 2019 Jul;38(7):1087-1094. doi: 10.1377/hlthaff.2018.05064.

 

Research question

学士ホルダーの看護師が多いほど、心筋梗塞後の患者アウトカムは向上するか?

 

PICO

P:院内心筋梗塞を起こした患者

I:学士ホルダー看護師数が多い

C:学士ホルダー看護師数が少ない

O:神経学的に良好な所見を呈した生存退院

 

 

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Abstract

Introduction

2010年、学士ホルダーの看護師が多いほど患者アウトカムが向上するということを示した強いエビデンスに促される形で、the Institute of Medicineは「2020年までに80%の看護師が学士以上の学位を保有する」ことを推奨した。

 

Method

The American Heart Association’s Get With the Guidelines-Resuscitation registry (2013-2018), RN4CAST (2015-2016), the American Hospital Association (2015)のデータを使用した。

 

Result

病院の学士ホルダーの看護師が10%増えることが、院内心筋梗塞発生後に神経学的に良好な状態で退院することのオッズ24%増と関連していることが示された。一般病棟およびオペ部門においては、看護師あたりの患者数が少なくなるほど、院内心筋梗塞発生後に神経学的に良好な状態で退院することのオッズが増加していた。

 

Conclusion

本研究の結果は、学士レベルの教育へのアクセスを向上し、かつ病院の看護師数を増加させようとする政策を支持している。

 

 

感想

先日紹介したAikenの研究から着想を得たと思われる研究である(RN4CASTという同じデータを使用している)。

結果を解釈するうえで注意が必要な点として、まず本研究における学士ホルダーの看護師数は病院レベルの指標、つまりその病院の看護師のうち何%が学士ホルダーであるかということを表したもので、実際に心筋梗塞を発症した患者が学士ホルダーの看護師からケアを受けていたかどうかを反映したものではない。

次に、以前のAikenの研究と同様に、こちらでも患者予後に影響を及ぼすであろう重要な因子である医師数を調整していない。看護師が多い病院は医師数も多く、また学士ホルダーの看護師が多い病院ほどより専門性の高い、実力の高い医師を雇えているという状況は想像出来うる。未調整の交絡因子としては存在感が大きく、そのため医師数を投入していない統計解析の結果をどこまで受け入れることができるのであろうか。

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