大学院看護師の日常⑤ 【受験時、教室訪問の仕方】

大学院によっては、受験前に教員との面談を設けている場合もあります。

これは、その人の求めるキャリアが本当にその大学院で合っているのかどうなのか、つまりミスマッチを防ぐための面談です。

訪問前の教員へのアポの取り方は以前説明しましたので、今回は教室訪問の仕方をお伝えします。

【訪問の仕方】

①セミフォーマルウェアに手土産を装備

服装に関しては節度のあるものならば特にスーツである必要はないと思います。手土産は高級なものでなく、500円~1000円くらいのささやかなもので十分です。看護教員ですと女性が多いと思いますが、私はよく金平糖やジャム、ちょっとしたケーキなんかを用意していました。手土産のあるなしが合否に関わるわけではありませんが(むしろ、それが影響するような教員であれば、配属を希望しない方が良いと思います)、お時間を頂くことへの感謝をお伝えするという意味でも用意した方が良いと思います。

②訪問時間の2~3分前に扉をノック

これは人によると思いますが、教員によっては本当に分刻みのスケジュールの方もいらっしゃいますので、早すぎず、そして絶対に遅れず、私はだいたい2~3分前に扉を叩くようにしています。秘書室に行くのか、教授室に行くのかはアポを取った際に教員から指示があると思いますので、それに従いましょう。会議や授業が長引いてなかなか教員が現れないこともあるかもしれませんが、待ち合わせ時間を10分~15分過ぎても現れる気配がなければ、隣の秘書室、ないしは”助教室”あたりをノックして、「~先生にこの時間にお約束を頂いている~という者です。ご不在のようなのですが、どうすれば良いでしょうか?」と聞いてみましょう。こうすることで、暗黙のメッセージとして「私はしっかりお時間までに来ていました。遅れておりません」と伝えることにもなります。ちなみに准教授室でも、講師室でもなく”助教室”をノックするというのは、助教が教員の中で最も職位が低く、取り次ぎのような雑用をして頂くうえではベターだからです。それに、職位が上の教員に比べて若いので、比較的気さくに対応してくれると思います。秘書さんがいらっしゃれば、秘書さんがベストです。

③面談開始

面談が始まりましたら、まずは自己紹介。メールで伝えているかもしれませんが、教授クラスになるとこのようなアポを大量にこなしているので、こちらの名前、所属は恐らく頭に入っていないものと思っていた方が良いです。はっきり名前と所属を伝えましょう。必須ではありませんが、名刺を用意できるならばベターです。というのも、面談中に仮に教員があなたの名前、所属を忘れてしまったとしても、手元の名刺に目を落とせば確認できますので、「ごめんなさい、あの…」と気まずい思いをさせないで済みます。

そして自己紹介が終わりましたら、大切なお時間を割いてくださったことへのお礼を伝えましょう。手土産をお渡しするのはこのタイミングがベストです。袋から出して、簡単に紹介を加えてお渡ししてください。

その後に、いよいよ本題に入ります。

「なぜこの大学院に興味を持ったか」、「なぜ他の教員ではなく、この教員に興味を持ったのか」、「将来、どのようなことをしたいと思っているのか」を具体的に伝えます。すらすらと言う自信がない方は、メモしてきて、それを見ながらお話されてもぜんぜん良いと思います。

以前も、可能な限り教員の論文や書籍を読んでおくべきである旨を書きましたが、私が教員訪問をする際には、なるべくその方の論文、書籍をバッグに入れて持っていくようにしています(書き込み、ドッグイヤーなども付けておきます)。会話の中で、「先生のこの論文を読みまして」とさりげなく出すようにしていますが、やはり論文のタイトルだけを挙げられるよりも、実際に現物を印刷してご覧いただいた方が、「しっかり読んでくれてるんだな」と思って頂けますと思うので。ちょっと狡いように思う方もいるかもしれませんが、興味をもって教員訪問をしているわけですから、これもまた相手への興味をより良く伝えるためのコミュニケーションであると私は思っております。

それと同時に、自分のこれまでの執筆物や活動が分かる写真なんかがあれば、私は相手にお見せするようにしています。iPadに臨床、演劇、研究、海外インターンと種類ごとにプレゼンを用意しており、文脈から外れない限りで自己PRしていきます。受験前の教員訪問というのはお見合いのようなもので、教員からしてもより優秀で、熱意のある生徒を採用したいと思うのは当然です。そのためには、自分から過去の業績を開示していかねばなりません。ただ、唐突に自己PRをしても忌避感を持たれてしまう可能性は大きいので、あくまでも会話の流れに乗せてお伝えするようにしましょう。

話題の盛り上がりや、教員のスケジュールによりますが、だいたい30分~45分くらいが面談時間の相場だと思います。

④面談終了

こういう面談の切り上げ時って難しいですよね。お話していても、「いつまでいていいのかな?お邪魔になっていないかな?」と心配になるかもしれません。ですので私は、面談が始まる前に「どれくらいお時間頂けると思っていれば宜しいでしょうか?」と最初にタイムリミットを決めておきます。相手に「ごめんなさい、次の予定があって」と言わせてしまうのも私は失礼だと感じるので、タイムリミット数分前くらいになりましたら、「すいません、頂いた時間ぎりぎりになってしまいました、そろそろお暇しないと」と自分から切り出すようにしています。

シンプルでもいいので、必ずしっかりとお礼は伝えてください。

もしかすると、教員の話を聞きながら「あ、ここは違うかもしれないな」と感じることも勿論あるでしょう。教員側も「この子、受験する気はあるかしら?」と気になっているかもしれません。その場で受験の意思を伝える必要はありませんので、「頂いたご助言を参考に、改めて自分のやりたいことを考えてみます。またご連絡差し上げても宜しいでしょうか?」というようにお伝えすれば良いと思います。

なお、これは「この雰囲気ならいけそう!」と感じた場合のみで良いと思うのですが、誰でも良いので教室の大学院生さんを紹介してもらうよう教員にお願いしてみると良いと思います。「大学院生さんに院生活について聞いてみたいのですが、私と関心が近い生徒さんがいらしたら、ご紹介願えませんか?」とその場で聞いてみましょう。院生室に連れて行ってくれ、その場で紹介してもらえるかもしれません。

ここで院生を紹介してもらうというのは非常に、非常に大切です。院生は大学院の内部事情を知っている貴重な情報源となりますので、雰囲気が許すならば絶対に紹介してもらえるようにしましょう。教員面談と同じくらい、これは重要です。

そして、これは人によるので何とも言えませんが、私は面談前に秘書さん、助教さんに取り次いでもらったような時には、忘れずにこれらの方々にもお礼を伝えに行くようにしています。「先ほどはありがとうございまいた。無事に~先生にご面談して頂くことができました」と一言伝えるだけでも充分です。これもまた狡い話ですが、例えば私が帰った後に教室の方々がランチを取られたとすると、ここでしっかり挨拶をしておけば、秘書さん、助教さんの口から「~先生、さっきの子とても丁寧な子ですね」とささやかながらお褒めの言葉を頂けるかもしれません。第三者からプッシュしてもらうというのがミソです。院生になると学会の手伝い、実習補助などもするので、学力や将来のヴィジョンだけでなく社会人としてのマナーも求められます。ですので、こうしてマナー面でも自己PRをすることで、少なくとも受験が不利になるということはないと思います。

⑤大学内の見学

もし時間に余裕があれば、大学内を見学されると良いと思います。

生徒の数や年齢はどれくらいなのか、研究室から活気を感じるか、建物の規模はどれくらいか(その看護学研究科の金銭的な潤い具合を判断する一助になります)など。

また、廊下や教務課には掲示物が大量に貼ってあります。ここには奨学金情報や、授業、インターンなど様々な情報が掲載されていますので、そのような勉強+αの情報を集める手掛かりになります。

なお、見学する前には必ず面談してもらった教員との別れ際に、「少し学内を見て回っても良いですか?」と聞いておきましょう。まず断られることはないと思いますので。大学によっては「部外者の侵入を禁ずる」と掲示しているところもありますが、ここで教員から許可を貰っておけば、警備員に声をかけられた際にも「~先生に許可を頂いております」と言うことができます。

⑥お礼のメール

面談が終わったその日、遅くても翌日までには必ずメールでお礼を伝えましょう。その際も、ただ「ありがとうございました」と言うのではなく、面談をして頂いたことによって自分の考えがどう変わったのか、新たに思ったことはあるのか、具体的に伝えた方が良いです。こうしてメールを打つことによって自分の考えを整理することもできますし。

たとえ面談の結果、その研究室は違うなと思ったとしても、お礼メールは必ずするべきです。

見ず知らずの自分が突然連絡したにも関わらず、大切なお時間を割いてくださったわけですから、その感謝の意は示さないわけにはいかないでしょう。

⑦受験の意思を伝える

面談が終わって数週間後には、その大学院を受験するかどうか気持ちが決まっているかもしれません。受験する場合は勿論、受験しないとしても必ずその意思は面談してくださった教員にはお伝えしてください。

相手も、「そういえばあの子どうなったのかしら?」と気にしているかもしれません。

仮に別の大学院に行ったとしても、貴方の興味に近いからその教員に面談を依頼したのでしょうから、将来的に学会で出会ったり、研究のアドバイスを貰える可能性もあります。もしかすると、研究のフィールドやインターンの機会を頂くこともあるかもしれません。受験しないということを伝えるのはやや気まずいかもしれませんが、向こうからしたら「まぁマッチングが悪かったかしらね」くらいの気持ちということもあるでしょうから、ここは勇気を出してメールしましょう。勿論、「先生の研究室の~が気に入らず」などと相手を非難するメールを出すのは言語道断です。「なぜ違うと思ったのか」ということを、相手を敬いつつ、具体的に、そらすべきところはそらして、うまく伝えられるように頑張りましょう。

以上が、大学教員の訪ね方になります。

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