大学院看護師の日常① 【大学院選び】

大学院への進学を希望する看護師に向けて、「大学院って何するの?」、「どうやって行くの?」という疑問に答えるため、ブログを書いていくことにしました。
臨床で生きる看護師にとって、自身の看護を振り返り、看護の質を向上させるための大学院進学という選択肢が、ありふれたものになれば良いなと思っています。

 

私自身は今年4月からの進学であるため、第一回目の今回は大学院選びについて書いていくことにします。

大学院は星の数ほどあります。
看護師だから看護学の大学院に行かねばならないということは勿論なくて、学びたいことに合わせて、学部を決めていけば良いと思います。
歴史上の看護理論家を見ても、大学院での専門は心理学、教育学、公衆衛生など様々です。

 

さて、大学院選びの際に考慮すべきことを思いつく限りで書いていきます

 

◆指導教官

大学院を選ぶ際にいちばん大切になるのが、指導教官です。
たとえブランド力の高い大学院に入学したとしても、指導教官との相性が悪かったり、そもそも指導教官が激務で全く指導してくれないなんてことになれば、期待していた学びは得られないかも知れません。
ですので、大学院を選ぶ段階で目ぼしい教官を見つけて置き、その方の書いた論文を読んで、「自分の学びたいことを教えられそうか」ということを掴んでおくとともに、在学生の知り合いを作り、「自分のやりたいことがやらせてもらえそうか」ということもしっかり把握しておいた方が良いです。
工学系の研究室だと、研究室全体で教授のプロジェクトに携わり、学生はそれに関連したテーマの修論を書くことが求められるようなこともありますので。
ちなみに、在学生と知り合う方法ですが、その研究科で主催されているイベントなどに赴くと良いかもしれません。大学院生同士だと、学会などで横のつながりもできていますので、知人に院生がいれば、その人にあれこれ紹介してもらうのも良いと思います。

あとは、大学院によっては受験前に配属を希望する研究室の教員と面談することが求められることがあります。私の知る限りでは、東大の看護学専攻では受験前の面談を行っていました。

最初にも書きましたが、大学院は星の数ほどあります。
看護系大学院も近年増加していますが、ここで注意せねばならないのが、教員、授業の質です。
看護系大学院が乱立される中で、正直、「この人ほんとに研究能力があるのか?」というような教員に出会うことも少なくありません。
「大学院ならどこでも良い」なんてことはないので、よくよく調べると良いと思います。

 

◆看護系大学か総合大学か

~看護大学のように、大学全体が看護学のみで構成されている大学院もあれば、国立大学のように看護学部の他に法学部、文学部、経済学部などの多様な学部で構成される総合大学の大学院があります。
ちなみに、私のお勧めは後者です。
なぜなら、総合大学であれば看護学以外にも多様な分野の授業を取ることができます。

私は学部時代は医学部健康総合科学科の所属でしたが、例えば文学部の死生学、教育学の質的研究法の講義、法学部の正議論のゼミなど、他学部の授業を沢山受講していました。
他の学問分野に知見を広げることで、看護学を相対的に眺められるようになるし、他の学問の理論や研究を看護学に応用するなんてこともできるかと思います。

後は、趣味ですね。
文学部や教養学部の授業なんかだと、シェイクスピアや特定の映画監督、著名な翻訳家の授業を履修することもできます。
正直、専門外なので聞いていて難しいことばかりだったのですが、何気ない趣味を別の角度から眺める機会になり、とても楽しかったです。

加えて、文学部や教養学部の授業ですと語学の授業が豊富にあります。
英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語などなどなど。
大学院では授業料さえ払えば授業は履修し放題なので、語学学校に通うより、大学院の授業で語学を学んだ方がよっぽどお得です。

というわけで、もし気になる大学院があるのなら、その大学のホームページを開いて、授業カタログを見てみると楽しいですよ。

 

あとは、総合大学の強みは他分野横断型の授業やプロジェクトがあることでしょうか。
例えば東大だとリーディング大学院プログラムというものに力を入れており、志望者は自分の本専攻とは別に、もう一つの大学院に所属することができます。
タイトルだけ上げると、、、

・サスティナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム
・フォトンサイエンスリーディング大学院
・多文化共生・統合人間学プログラム
・活力ある超高齢社会を共創するグローバル・リーダープログラム

などです。
これらでは、様々な学問分野の院生が集まり、特定のテーマを対象にプロジェクトを進めていくことになります。
刺激的です。
しかも、一定要件を満たせば月数万~十数万円の補助金を獲得することができます。 

 

◆奨学金、授業料免除が獲得できるか

大学院に入学するとなると、多くの人は退職することになるでしょうから、その先の家計のやり繰りが気になることだと思います。
大学ごとに、授業料免除や奨学金が手に入りやすいかどうかというのはバラツキがあるので、これが獲得できることを前提にして大学院を選ぶというのも大切かもしれません。
国立系の大学だと割と獲得しやすいかもしれませんね。
ちなみに、申請の際に奨学金、授業料免除がおりやすくなるのためのテクニックとして”独立生計扱いにする”というものがあるのですが、これについては後日。

 

◆留学の際の推薦状

仮に国内大学院を卒業した後に海外大学院留学を検討されている方がいるとしたら、推薦状が重要になってきます。少なくとも一通は大学院で指導を受けた教官の推薦状が必要になると思いますが、留学を見越して、強い推薦状を書いてくださる教官がいる大学院を選ぶという戦略もありかもしれません。
私も留学準備中なので、どのような方の推薦状が強いかは確証がありませんが、米国トップ大学院に入学した先輩方の話を聞く限りでは、「アカデミックな文脈で国際的に存在感がある」、「留学を希望する大学院の卒業生である」といった方がやはり強いようです。

 

◆合格が現実的かどうか

これについては、逆に意識しない方が良いかと思います。
というのも、国内において大学院の試験と言うのは学部入試と比べると簡単で、そこまでの学力と努力は必要されないことが多いです。
ブランド力がある大学だからといって、「私には無理」と尻込みするまったく必要はありません。
例えば、私は東大の学部から大学院への進学しましたが、学部受験の際の苦しさに比べてば、院試は「え?こんなんでいいの?」と思うくらい拍子抜けしたものでした。
(東京大学公衆衛生大学院の受験に関しては別の記事を連載しているので、そちらを読んで頂ければ嬉しいです)

 

以上が、【大学院選び】についての記事になります。
次回は【大学院の受験】について書いていきます。

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